電子証明書を利用した電子署名「EU Advanced」とは?
商業・法人登記のオンライン申請に対応
更新:2022年8月3日
先日、弊社ブログで第一報をお伝えしました「ドキュサインを使った商業・法人登記のオンライン申請」について、今回はもう少し深堀りした形でご紹介します。
そもそも、商業・法人登記とは何なのでしょうか。法務省の Web ページによりますと、
商業登記は、会社(株式会社,合名会社,合資会社,合同会社)等について,法人登記は,会社以外の様々な法人(一般社団法人・一般財団法人,NPO法人,社会福祉法人等)について,その名称や所在地,役員の氏名等を公示するための制度です。 会社・法人は,設立の登記をして初めて法人格を得ることができますし,基本的な情報を登記することによって信用の維持を図ることができます。また,商業登記は,取引の安全と円滑に資することにもなります。実体に合った正しい登記がされるため,登記申請に際しては裏付けとなる書類を添付する必要があるほか,虚偽の登記申請や登記申請の懈怠に対する罰則も定められています。
と記載があります。
つまり、会社や法人が、名称、所在地、役員の氏名等を公示する制度となっています。 では、会社・法人では、そのような変更がどのような手続きを経て行われるのでしょうか。それは、取締役員会や理事会での承認です。この取締役員会や理事会で承認・決定した事項等を記したものが、取締役員会議事録、理事会議事録となります。ドキュサインは、法務省による会社法に対する新しい見解で、会社法上は取締役員会・理事会議事録の電子化に利用できる形となりましたが、商業・法人の登記申請手続きで添付書類として提出する取締役員会・理事会議事録の電子化には利用いただくことができませんでした。ところが、2020年9月3日、法務省の Web ページが更新され、遂に商業・法人の登記申請手続きのオンライン申請時に添付が必要な取締役員会・理事会議事録の電子化で、以下のようにドキュサイン利用が認められたのです。
「Docusign Cloud Signing CA-SI1」 (ドキュサイン・ジャパン株式会社) (EU Advanced(ドキュサイン・ジャパン株式会社)のサービスを利用しているものに限る。)
ここで、皆さん疑問に思われる点があるかと思います。それは、EU Advanced とは何なのかということです。EU Advanced について解説する前に、まず弊社が提供している署名方式を簡単に、以下に紹介します。
EU Advanced は、電子証明書を利用した電子署名方式の1つとなりますが、電子証明書の事前準備は必要ない署名方式となります。送信者が署名者本人を確認したことを前提に、ドキュサインで管理している認証局 (EUTL : EU Trusted List, AATL : Adobe Approved Trust List対応済) が署名者向けの電子証明書を発行し、その署名者の代行として、ドキュサインが合意文書に電子署名を付しています。つまり、EU Advanced は、署名者の方々に煩わしい事前作業を実施していただく必要はありません。
法務省の Web ページをご確認いただくとわかりますが、添付書面情報として扱われる取締役員会・理事会議事録については、電子証明書が必要となります、尚、弊社としましては、日本の多くのお客様が利用されている Docusign eSignature での対応を模索しましたが、要件を満たしていないため、EU Advanced で申請を行い、今回許諾をいただいた次第です。
なお、ウェブサイトからお申し込みいただいたプラン(Personal、StandardまたはBusiness Pro)では EU Advanced 署名方式はご利用いただけません。高度なソリューションをご契約いただいた上で、オプションとして EU Advanced 署名方式を追加していただく必要があります。詳細につきましては、弊社営業担当までご連絡ください。
おすすめ記事:EU Advancedに関するよくある質問と注意点
ドキュサインを利用して電子化できる文書は増加してきています。同時に、お客様のユースケースも日々増えています。弊社のお客様がどのようにドキュサインを利用して電子化を進めているか等、導入ノウハウや活用法につきましては、お電話(03-4588-5476)またはお問い合わせフォームよりお問合せください。
また、商業・法人登記のオンライン申請方法やその他注意事項に関しましては、以下のブログをご覧ください。